パーキンソン病

筋強剛(きんきょうごう)または、筋固縮(きんこしゅく)は、

パーキンソン病の4大症状の一つです。


呼び名は二つありますが、意味は同じです。


ここでは、「筋強剛」とします。


「筋強剛」は、「筋緊張が持続的に続く状態」のことです。

筋緊張が高まっているため、他者が動かそうとすると、歯車のように、カクンカクンと動きます。

これを「歯車現象」と言います。

本人の自覚症状は少ないのですが、筋肉がこわばっているので、

食事、着がえ、寝返りなどの動作がとてもしずらくなり、

日常生活に支障がでてきます。


筋強剛を改善するために、毎日、自分でこまめにリハビリする事が大切になってきます。

パーキンソン病の4大症状の一つに「振戦」と呼ばれる症状があります。 


振戦とは、自分の意思とは反して、1秒間に4回程度、繰り返しおこるふるえのことです。

振戦は誰にでも現れる「正常な手指の振戦」と「病気的な振戦」があります。


よく、手のわずかなふるえを気にされる方がいらっしゃいますが、

そのほとんどが、「正常な手指の振戦」です。


また、「振戦」は、ストレスや不安などによっても引き起こされます。

他にも、アルコール依存症の禁断症状でも「振戦」はあらわれます。


「病的な振戦」には、

主に「安静時振戦」「姿勢時振戦」「運動時振戦」の3つがあります。 

そのうち、パーキンソン病で一番多い振戦は「安静時振戦」と呼ばれるものです。


「安静時振戦」は、片方の手足の先の方に起こります。

手足以外にも、くちびるや顎にも起こることがありますが、

くびや頭にはあまり起こりません。

そして、動いている最中や、寝ているときには症状は出ません。

また、患者さんによっては、眼に見えるふるえではなくて、

体の中でふるえていると訴える方もいます。


「振戦」は様々な病気の症状としてあらわれます。

「振戦」の種類として、

「パーキンソン病に伴う振戦」、 「パーキンソン症候群に伴う振戦 」、

「軟口蓋振戦 」、「Holmes振戦 」、「起立性振戦 」、 

「生理的振戦 」 、「甲状腺機能亢進症に伴う振戦 」、

「慢性アルコール中毒に伴う振戦 」、「末梢神経障害に伴う振戦 」、

「 本態性振戦 」、「 心因性振戦 」、「中毒性・薬剤性振戦」

「ジストニアに伴う振戦 」、「小脳性振戦 」などがあげられます。

イギリスのジェームズ・パーキンソンによって、1817年に、「振戦麻痺に関するエッセイ」で「振戦麻痺」と呼ばれる病気について初めて報告されました。


その後、19世紀後半にフランスの神経内科医である、ジャン=マルタン・シャルコーが、この「振戦麻痺」と呼ばれていた病気を、ジェームズ・パーキンソンの名を冠し、「パーキンソン病」と命名しました。

また、シャルコーは、振戦症状がみられないタイプのパーキンソン病についても言及しています。


1919年には、パーキンソン病の原因が、中脳の黒質にある事が発表されました。 


1957年に、スウェーデンのルンド大学のアルビド・カールソンらにより、ドーパミンが神経伝達物質として実証されました。 


1960年には、ドーパミン濃度が、パーキンソン病患者の線条体で、とても少なくなっていることが発見されます。


翌1961年に、レボドパを投与することによる有効性が証明され、レボドパ治療は、パーキンソン病に有効な治療法として、広く行われることになっていきました。


ちなみに、アルビド・カールソンは、2000年にノーベル医学賞を受賞しています。


また、ジェームズ・パーキンソンが生まれた日である4月11日は、「世界パーキンソン病の日」ツォして、世界各地で様々なイベントが行われています。

パーキンソン病とは、脳の「黒質」という部分の細胞が変質してしまい、「ドパミン」という物質が少なくなってしまう病気です。


「ドパミン」が少なくなると、振戦(しんせん)・固縮(こしゅく)、無動・寡動(むどう・かどう)・姿勢反射障害(しせいはんしゃしょうがい)といった症状がでてきます。


手が勝手にふるえたり、歩いている時に足がすくんでしまったり、歩幅が狭くなり、転倒しやすくなったりします。


また、仮面顔容といって、表情に乏しくなったり、字を書く時に、字がだんだん小さくなったりしてしまう事などもパーキンソン病の特徴的な症状です。


発症される方は、50歳代〜60歳代の方が多いですが、30歳代〜40歳代に発症する「若年性パーキンソン病」の方もいます。


パーキンソン病は、厚生労働省の指定難病の一つに定められています。


また、進行性の病気なので、だんだんと症状が悪化していきます。


近年、医学が発達し、良いお薬も出てきたことから、

死にいたる病気ではなくなってきています。


ただ、症状の進行にともなって、QOL(生活の質)が下がっていってしまうのが特徴的な病気です。